3Dプリンタが家をつくる時代の到来
3Dプリンタが登場したのは5、6年前。デジタルデータで3次元の物体を複製できる近未来的なツールに、大きな注目が集まりました。職人技が必要とされるような複雑で精巧なアイテムがレーザーなどで精密にプリンティングされる様は、まさにSF映画のワンシーンのような近未来的風景でした。
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昨今、この3Dプリンタで、あるものを複製することが話題になっています。それは家です。3Dプリンタがデジタルデータをもとに、3次元の物体を複製できることを考えれば、当然可能なことですが、ここへきていよいよ実用段階に入ってきたようです。
参考:3Dプリンタで家を建築するベンチャー企業→ICON
その“建築風景”は、まさに巨大3Dプリンタそのもの。システムが組み込まれた重機を使い、コンクリートを流し込んでいくものが多いようですが、早く、滑らかで、正確な動きは、圧巻です。小さめの平屋ならわずか24時間ほどで完成するそうです。窓や玄関、断熱材の組み込み、外壁塗装などは人手になりますが、それでも完成までのスピードはいわゆる戸建て建築の概念には当てはまりません。
圧倒的スピードと低コストが壊す常識
人件費を大幅に削減できるため、コストも超破格。諸費用は別でしょうが、おおよそ40万円ほどで、一軒家が建てられるそうです。一戸建てといえば、上物だけでも最低1,000万円は下らない日本。その25分の一の費用で建築できるのですから、そのインパクトは図り知れません。現状では、一般的住居というより、発展途上国の住居問題解決に活用することが主流になりそうですが、近い将来、多くの建築現場でその中心となる日が間違いなくやってくるでしょう。
もちろん、進化形として、高層マンション建築が可能なタイプも実用化が進められており、そうなれば住居の価値がガラリと変わっているかもしれません。人手不足が深刻な日本では、特に建築現場での人材不足が問題になっており、そうしたことへの対策としての導入も加速するでしょう。
もっとも、今の日本は新築を増やすことより、増加の一途にある空き家をどう活用するかが社会課題となっています。その意味では、古民家の解体と再生を同時に行える、スクラップ&ビルド型の3Dプリンタが登場すれば、地域活性も絡めた新たな市場を開拓できるかもしれません…。
