不動産ビジネスのテック化最前線
最もデジタル化が遅れている業種の一つといえる不動産業界。それでも昨今は、建築における3Dプリンタの導入やIT重説の解禁など、着実に進化へと向かっています。不動産ビジネスにテクノロジーが本格導入されれば、ビジネススタイルはどう変わっていくのでしょうか。最新動向から、その展望を探ります。

昨今のトレンドといえばAIです。不動産ビジネスでもAIを活用したサービスが登場し、注目を集めています。ビッグデータを解析することが得意なAIだけに、目立つのは不動産投資での活用です。土地情報、価格、周辺環境、広さなど、不動産に関する様々な情報を解析。顧客にニーズとすり合わせ、投資対効果を推定。事業計画の立案などをサポートします。
AI導入で激変する顧客対応
TATERUが開発した土地マッチングAIシステムは、土地データからアパート経営の事業プランを自動で作成します。これまでなら、時間もかかり、精度もあいまいだったものが、短時間・高精度で実現し、より付加価値のあるサービスへ労力を分配することが可能になります。AIの学習機能で、物件にならなかった情報もフィードバックされるため、使うほどに精度は高まります。
チャットボットと呼ばれる自動応答システムを導入すれば、顧客との基本的なやり取りは自動化で省略でき、不動産スタッフは物件探しなど、顧客へのより重要なニーズへの対応へ注力することが可能になります。ここにAIを絡めれば、物件提案までを“自動化”することも可能でしょう。また、画像検索を応用すれば、外観や間取りといった、すぐの対応は難しいニーズにも、瞬時に対応できるようになるでしょう。

TATERUでは、IoT(internet of Things)を活用した賃貸住宅も展開しています。スマートスピーカーによる家電コントロールや開閉や揺れを検知し、外出先へアプリで告知するシステム。アプリやテンキーなどで解錠するスマートロックなど、不安な独り暮らしをテクノロジーでサポートするシステムを満載したアパートを「IoTアパート」として展開。2018年内に1万室の供給を目指しています。
遅れている分、いったんメスが入れば大きな変革につながる可能性を秘める不動産業界のテック化。気鋭の起業家を中心に変革が推進されていますが、その先にあるのは業界の健全化であり、顧客メリットの増大です。ブラックボックス化された部分も多い不動産業界。テクノロジーの活用で拓ける新しい業界の未来は、事業者にとっても顧客にとっても明るいものであることは確かでしょう。
