15年後には3軒に一軒以上が空き家になるが…
15年後の2033年、空き家率が3割を超えるという予測があります。3軒に一軒は空き家。地域の偏りはあるでしょうが、まさに“日本列島ゴースト状態”です。お先真っ暗という感じですが、持ち家信仰が強かった時代の主力層が晩年を迎えるタイミング、という意味では価値観の大きな転換点ととらえる事もできるかもしれません。

かなり楽観的な発想ですが、空き家率の増加はそこに住む人が減る、つまり人口減少がその最大の要因です。という事は、持ち家信仰とは無関係の若い世代は相続を含め、何らかの形で空き家を活用しやすい環境が整うとも考えられます。
既に古民家を活用し、サテライトオフィスにしたり、格安で借りられる物件としている事例も増えてきています。一生懸命働いて、そのほとんどをマイホーム購入に費やす。そんな考えは、もはやほとんどないのではないでしょうか。空き家があふれているなら、それで十分。景気後退トレンドの中で生まれ育った世代にとって、無駄な消費をするより、あるものをうまく活用する方が価値観にもはまっているでしょう。
親の家を相続するにも、空き家を利用するにも何かと制約はあります。余っているんだから使わせて、と思ってもそう簡単にはいきません。とはいえ、このまま空き家が増え続ける事は、日本にとって百害あって一利なしといっても過言ではありません。治安の悪化や地域の劣化が加速し、景気にとっても国力にとってもマイナスでしかありません。

規制緩和や改革が必要にせよ、この状況をプラスに転化する土台が構築されれば、多くの人が“不動産オーナー”になる可能性が拓けてきます。空き家を活用して民泊を運営するのは一早く実現した規制緩和です。さらに規制が緩まることで、お荷物の空き家を有効に活用し、ビジネスを始める人や地域活性に貢献する人が増える可能性は大いにあります。
“個人オーナー”を増やす緩和で空き家を最適化
昨今は個人がその特技や才能をフル活用し、フリーで稼ぐことも珍しくなくなってきました。その選択肢の一つとして、不動産オーナーが加わる日が来るかもしれません。実際、2018年8月にオープンした賃貸総合サイトのARU-Rは、貸主が直接物件を掲載することが可能です。こうしたサイトはすでにいくつかありますが、同サイトは一般賃貸のほか、マンスリーマンション、シェアハウス、民泊までを網羅しており、昨今のトレンドにも対応しています。
こうしたサイトを活用することで個人が、不動産会社に頼らず物件オーナーとして賃貸を回せるようになれば、空き家問題は確実に解決へ向け前進するでしょう。そのためには、空き家にまつわる規制のさらなる緩和が大前提ですが、そうなれば日本は超高齢化の先進事例として独自のまちづくり、国造りを実現できるかもしれません。
空き家というとネガティブな印象しかありませんが、活用の仕方次第で一転、地域のイメージを一変させる可能性も秘めています。ユーチューバーが個人の特技を価値に変えたように、不動産オーナーが空き家に想像もつかない価値を与えるーー。空き家利活用の規制に対する地殻変動が起こることで、20年後の日本がお金以外の価値に重きが置かれる新たな魅力に包まれたゆとりと豊かさにあふれる国へと成熟する未来図は、決して夢物語ではないと思います。
