ITとの融合で不動産の価値は上がるのか

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不動産テックは不動産に何をもたらすのか

不動産テックということばを耳にする機会も増えています。色々な意味がありますが、物件価値という観点で不動産とITの融合を考えてみましょう。

macbook pro
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ITと不動産の融合で居住者目線で広がりを見せているのがIOTによる家電等とITの連動です。照明やテレビ、オーディオ、調理器具などあらゆるものがネットでつながり、データを収集。居住者の行動特性を勉強しながら、快適な空間づくりをサポートしてくれる、というのが一般的なイメージです。

データを蓄積し、分析することで例えば空調の最適化や洗濯、調理も自動化が可能になってきます。データを分析することで電気代の節約にも貢献してくれるでしょう。防犯や介護などへも応用できます。IOTによって、生活の質が格段に向上することは間違いありません。

では、このことが不動産価値に与える影響はどうでしょう。例えば新築物件なら最初からフル装備でこうした機能があれば、多少の上乗せは可能でしょう。賃貸物件でも同様です。ただし、現実的には同じような条件なら、テック化された住居の方が選ばれやすい、といった程度で、資産価値の向上とまではいかないのが現実でしょう。

理由はテック化は、あくまでの生活の質向上につながる補完的要素でしかないからです。住居というのはやはり、場所、間取り、構造など複合的な要素がうまくフィットしてはじめて住む人の要望や満足度を満たすものです。ひょっとすると何もない田舎でシンプルに暮らすことの方が快適という人もいるでしょう。

woman sitting on sofa while looking at phone with laptop on lap
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不動産のテック化がもたらす恩恵は、こうした価値観に根差した満足度に比べれば微々たるもの、というのが実際の所ではないでしょうか。ビジネスとして、あえて不動産のテック化に注力するなら一人暮らし専用の物件を扱うなど、顧客を限定するのがスマートかもしれません。

住居は人にとって想像以上に大きな影響力があります。それはそこが自分が一番自分らしくいる空間だからではないでしょうか。新居を自分色に染めていく。そうやって一つ一つ気持ちを込めて“城”を築いていく。そのプロセスはアナログだからこそ楽しいし、満足感があるのだと思います。

その結果、より利便性を求めてテック化を検討することはあっても、それはあくまで一要素。そんなことを考えると、不動産のテック化はより選ばれやすくなる一つのきっかけでしかなく、不動産価値を高めるものではない、というのが適切な解といえるのではないでしょうか。

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