2020年の東京五輪へ向け、いよいよその輪郭が見え始めています。メイン会場となる国立競技場は着々と工事が進み、その荘厳な外観が確認できます。選手村となる晴海地区も開発コンセプトが発表され、名称も「HARUMI FLAG」と決まりました。

2020東京五輪は、不動産関連ではカネを呼ぶワードのように用いられています。全貌が明らかになった「HARUMI FLAG」は、確かに心躍るような魅力が詰まった都市計画を感じさせます。晴海エリアをゼロベースで設計し直すことで生まれる街並みは、海と緑を調和させ、道幅や勾配も人への優しさを最優先。街全体として住みやすさを追求しており、そこに居を構えることで生活に豊かさを感じさせてくれそうです。
五輪期間中、選手村として活用される同エリア。そこには、5000戸以上もの分譲/賃貸住宅が建築され、その人口は1万2,000人に上ると想定されています。トップアスリートの拠点となる選手村は、それだけ魅力的ですが、実際、過去の五輪選手村はその使命を終えた後、優れた居住区として活かされたのでしょうか。購入を検討する人にとっては、そこが一番重要なポイントでしょう。
前回オリンピックが開催されたブラジル・リオの施設は、ブラジル経済の低迷もあり1割も売れませんでした。工事期間中にトラブルが頻発し、悪いイメージが先行した事も影響したかもしれません。その前の2012年ロンドン五輪の選手村は街の再生も兼ねていたこともあり、魅力の向上に成功。選手村に使われた住居の引き合いも高く、成功例とされています。
日本の場合はどうでしょうか。過去の五輪でみると、冬の札幌五輪の選手村はUR五輪団地としていまも活用され、しっかり“遺産”となっています。長野冬季五輪の選手村も市営住宅として活用され、高い人気を誇っているそうです。
選手村=いい物件とは必ずしもいえませんが、その後の不動産価値という観点では、2つの重要なポイントあるといえるでしょう。ひとつは、利便性。もう一つは計画の先に何を見据えているか。
利便性はその後分譲されるとした場合、非常に重要な要素となります。選手村の場合、環境重視で意外に不便な場所に建設される場合もあり、五輪開催中の華々しさから一転、もの寂しく見える事もあるので注意が必要です。将来計画については、五輪の為だけに造るのか否か。それに尽きます。ロンドン五輪、そして東京五輪は街づくりを視野に入れた計画になっていますから、有望といえるでしょう。
問題は、売り出し価格です。都心へ20分圏内だけに相場通りなら7000万円前後はくだらないでしょう。希望は土地が異常な安値で売買されたことと交通手段が乏しい事。その辺りをどのように販売価格に織り込むか。それによっては相場に引きずられないお買い得価格がはじき出される可能性もあります。もっとも、すでにかなりの人気があるようですから、あえて安値を提示することはなさそうですが…。
