宿泊事業に本格参入するパナソニックホームズの秘策、インバウント・リンクとは

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パナソニックホームズ(株)が、宿泊事業に本格参入する。インバウンド需要を見越し、テストマーケティングを経てのもので、初年度は受注目標棟数13棟を目指す。

Vieuno Stayの宿泊施設(イメージ)

考え抜いた末の本格参入だ。民泊新法の施行などで、宿泊事業関連の法整備が進む中、同社が目を付けたのは、ホテルでも民泊でもない宿泊施設への需要だ。豪華だが高いホテル、安価だが設備に不満足の民泊。そのいいとこどりとなる施設として同社が提案するのが、「Vieuno Stay」。家族が揃ってくつろげるコンドミニアムの宿泊スタイルだ。

これまで、培ってきた工業化住宅のノウハウを活かした快適な空間を宿泊施設として応用し、満足とコストパフォーマンスを両立。旺盛なインバウンド需要の新たな受け皿として、提案する。工業化住宅ならではの短納期も強みで、これからの受注でも2020年の東京五輪にも十分間に合う。

もっとも、重要になるのは立地の良さ。そこは譲れないだけに土地の取得は大きな課題だ。そこで同社が用意するのが、独自のサブリーススキーム「インバウンド・リンク」。同スキームは、グループ子会社のパナソニックホームズ不動産が土地オーナーから最大30年のマスターリースを締結の上、土地と建物を一括借り上げ。貸主として提携の運営事業者へ10年間転貸する。

10年後、インバウンド需要の状況によっては一般賃貸住宅への用途変更も可能で、経済情勢とも柔軟に向き合え、土地オーナーにとっても安心できる仕組みといえるだろう。短納期で商機を逃さず、最大30年のマスターリース。さらに一般賃貸への用途変更も可能、とあらゆる可能性を見越しており、人口減少時代の不動産運営のひとつのカタチとして定着しそうな練り込みようだ。

昨今は、資本力のある事業者が長期リース等で一等地を押さえ、そこに魅力ある空間を創り出すビジネスモデルが成功するケースが増えている。逆にいえば、土地を取得し、ただ建物を建てる従来型では、もはや苦戦することが目に見えているということだ。

遅ればせながらITも浸透しつつある中で、これまで以上に知恵を使わなければ不動産ビジネスも立ち行かない時代。独自のサブリーススキーム、インバウンド・リンクが示すのは、そうした激動のただ中にいま、不動産ビジネスが突入しているという現実以外のなにものでもない。

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