引っ越しを決めた。物件を探す。ここから引っ越し先確定までのプロセスはワクワク感もあるだろうが、実際にはなかなか面倒だ。

まずネットなどで物件を探す。あるいは最寄り駅近くの不動産を訪問し、物件を探してもらう…。よほどイメージが煮詰まっていればいいが、そんなことはまれだ。むしろ、見れば見るほど迷うもの。さらに実施に物件を見学してみえてくるものあり、そのことが判断をさらに難しくすることも珍しくない。
洋服や家電とは違い、生活の大きなウエイトを占めるものと考えれば当然の時間投資ともいえる。だが、できることなら効率的にスピーディーに行いたい。不動産テック企業、イタンジが今秋リリースする「OHEYAGO」は、効率的な部屋探しという観点では、かなり期待できそうなサービスだ。

同サービスでの部屋探しのイメージをみてみよう。まず同サイトへアクセス。気に入った部屋があればネット上で内見予約。本人確認宗省吾スマートキーが渡されるので、それを使って一人で内見する。気に入ればウエブで申し込み。たったこれだけだ。実質的にECショッピングとほぼ同じような手続きのみで、住居を決めることができてしまう。
営業時間を気にする必要もなければ紙の書類への記入も不要。不動産担当者との日程調整や待ち合わせももちろんなし。これならネット時代にふさわしく、手軽に物件探しができるというものだ。
とはいえ、洋服と違って、簡単にキャンセルなどはできるものではない。手軽とはいっても、慎重に見極める必要はある。そうなると、専門家である不動産担当者がいないことは少々不安要素となる。さらに可能なのは同サイトに掲載されている物件のみなので、選択肢はそれほどないだろう。
物件提供側に立っても、ホイホイと同サービスを利用するかは微妙な部分もある。なぜなら、一度も会うことなく物件を見て、決められるともしも、入居者が不審者だった場合、というリスクも避けられないからだ。本人確認の段階である程度見極めるにしても、実際に会ってみた印象は結構重要な要素となるだけに、不安はぬぐい切れないだろう。
実際、自社物件を扱うある不動産会社の役員は「やっぱり一度も会わずに決められるのは不安。入居が決まってしまえば、こちらの立場も微妙になるわけですから」と同サービスの不安を口にする。本人確認や保証会社による審査があるものの、ごまかしやすい状況にあることは否めないだけに、そのあたりの“対策”は強化し続ける必要はあるだろう。
もっとも、住まいを探す側にとって確実に利便性が高まるだけに、今後、普及は加速することは間違いないだろう。だからこそ、AIなどさらなるテクノロジーの活用で、偽装や犯罪に悪用されるリスクなどへも十分にケアするなどで“無人”だが安心、というシステムを確立することを普及と並行して徹底していくことが、浸透への大きなカギを握りそうだ。
