住居キーレス時代に死角はないのか
不動産周辺のIT化が急速に進んでいる。家電や家具などがネットでつながり、その制御を遠隔で行うことも珍しくなくなっている。家のカギのデジタル化も進み、スマートロックとして活用する個人や導入する不動産企業も増え始めている。

スマートロックとは、スマホやICカードなどで開錠および施錠するためのハードウエア。簡単な工事で設置するタイプや粘着テープで取り付けるタイプなどがある。鍵を持ち歩かずにスマホなどで自動でドアの開閉ができることなどが便利で、着実に利用者が拡大している。
一方で、「電池が切れたら困る」「誤作動したら怖い」などの理由で導入をちゅうちょする利用者も少なくない。実際のところ、スマートロックは急いで導入すべき便利ツールなのか。まだ「待ち」の発展途上ツールなのか。迷っている人が押さえておくべきポイントを整理しておく。
まず、最も不安なのが、電池切れ問題だろう。物理的に給電型(別売対応のものあり)は難しく、流通しているスマートキーのほとんどはバッテリー式。当然、バッテリー切れでその機能はストップする。もちろん対策はされていて、外から別の電池につなぐことで解錠できるタイプのものなどがある。バッテーリーの消耗状況を見えやすくする機能もほとんどの機種で抜かりなく搭載されている。電池が切れれば物理的キーで開けられる仕様は、大抵の機種で採用されている。
とはいえ、帰宅時に突然、そうした事態に遭遇した場合、なかなか冷静に対応できるものではない。万一に備え、物理的キーを持ち歩くのも、せっかくのスマートキー導入のメリットを考えるとむなしくなる。代用電池もしかりだ。バッテリー問題については、スマホ同様、常にバッテリー状況を確認しながら、予備バッテリーを携帯するなどで備えるしかないといえる。逆にいえば、この点が気にかかるなら、導入は見送った方がいいかもしれない。
友人や身内などへの合鍵発行も気になるだろう。もちろん、そうした機能は用意されている。パスワードタイプや指紋認証など、いくつかのパターンが用意され、相手の状況に最善のものが選べるようになっているのがほとんどだ。履歴が確認できるため、セキュリティ面でも安心といえるだろう。
賃貸住居への導入で設置をちゅうちょする人もいるかもしれない。この場合は、粘着テープ型を選べば、住居に傷をつけることなく設置できるので問題ないだろう。ただし、テープで設置する場合、固定状況によっては、開閉がうまくいかない場合もあるので、その点は念頭に入れておく必要がある。

賃貸住居のオーナーとしてスマートキー活用を考えている大家もいるだろう。機種によってはそうしたことを考慮し、使い勝手の良い機能を採用しているものもある。例えば、株式会社エナスピレーション(本社:静岡県藤枝市、代表取締役社長:富井 宏樹)の最新のスマートロック【ES-F500D】(開き戸対応)、【ES-F500H】(開き戸、引き戸対応)には、4段階の利用者レベル振り分け機能がある。最高管理者、一般管理者、ユーザー、ゲストに分けることで、権限を分配。入居者入れ替わりの際も、権限によるパスワード変更が可能で、管理が楽になる。
ちなみにこの機種は、引き戸にも対応。スマートロックは開き戸のみと思われがちだが、製品によっては、住居のスタイルを選ばない製品があることも知っておくといいだろう。
コードレス、キャッシュレス、そしてキーレス…。デジタル化の加速で、物理的なものを持ち歩く必要性はどんどん薄れている。セキュリティ面や故障の心配は完全には拭い去れないが、それはアナログでも変わらない。なにより、そうした不安を上回って余りある利便性がある。カギは持ち歩かずスマートロック。それが当たり前に時代もそう遠くなさそうだ。
