アフターコロナ見すえビジネスモデルの転換を
新型コロナウイルス感染症の影響がいよいよ顕在化しつつあります。3月末に国土交通省がビルオーナーに対しテナント料の減免に柔軟に対応するよう要請をしました。そして4月17日ににはさらに踏み込んでその支援策を打ち出しました。
ビル所有者がテナントに入っている飲食店などの賃料減額や支払い猶予に応じた場合、法人税や社会保険料の猶予、固定資産税の減額や免除を実施するというもの。対象になるのは、前年同月比で20%以上減のビル所有者などで、2021年1月までの国税、地方税、社会保険料を1年間猶予するそうです。
帝国データバンクが4月3日に発表した新型コロナウイルス感染症に関する企業の意識調査では、「マイナスの影響がある」と回答した業種のうち、不動産業界は82%で「運輸・倉庫」に次ぐ2番目でした。2月に行われた前回調査時よりも実に26.8%もポイントを伸ばし、危機感が高まる中での方針発表でした。
ビルオーナーにとっては「いきなり売り上げを減らしてくれ」という要請だったわけですから理不尽な側面もありました。とはいえ、テナント入居の店舗にしても、いきなり「店に行かないで」とお上に客足を止められたわけですから不可抗力ではあります。経済はあらゆるものの連鎖で回っていることを考えれば仕方のない展開といえるのかもしれません。
新型コロナは、お金ではなく直接消費に連動しています。これは人間に例えれば、体は健康でも血液が枯渇している状態。つまり、酸素も栄養も行き届かず動けない、そしてやがて絶命するということです。リーマンショックのようにお金の問題なら、資金さえ投入すれば、つまり、特効薬を使えば回復は見込めた。不動産業界に限りませんがいま、経済は非常に困難な状態に置かれています。
文字通り特効薬は新型コロナウイルスに有効なワクチンの開発ですが、1年以上はかかるといわれています。そうなると五輪は延期さえ白紙となり「中止」という最悪のシナリオも浮上します。そうなれば影響はさらに拡大します。こうなった以上、不動産業界もこれまでの慣習ややり方をいったん白紙にし、全く新しいビジネスモデルを考えるのも賢明かもしれません。
リモートワークの浸透で場所に対する概念も変わりつつあります。いわゆる土地神話の完全崩壊です。「一等地」の概念もなくなるかもしれません。もちろん、それでも空間のニーズが途絶えることはないハズです。リアルなスペースを活用し、そこでなにをして、どんな価値を生み出すのか。その内容がそのままいわゆる賃料的な「価値」へと転換されていくのではないでしょうか。
従来のやり方からの大きな転換点にある。決してネガティブな話ではなく、新たな時代の到来と考え、発想をスッパリと切り替えアイディアをひねり出す。いろいろな自粛であらゆるものが縮まっているときですが、ビジネス脳だけは全開ににして、“アフターコロナ”に備えましょう。
