不動産のテック化が推進する手数料無料化をどう考えるのか

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不動産のテック化があぶりだす“ 手数料 ”の本当の価値

賃貸物件を契約する際には、仲介手数料を請求されることが一般的だ。不動産仲介業者がすることといえば、内見に付き添い、簡単な書類作成業務などを実施するだけ。それでも手数料は家賃の1か月分や半月分。決して少なくない額だ。古くからの慣習だとしても、すんなり納得はしづらいのが大方の契約者の本音だろう。

一方で、 最近では大手不動産検索サイトの充実により自分で物件を探す人が増えている。さらに賃貸契約者が実際に内見した部屋数は年々減少傾向にある。特に、引っ越しまでの期限が決まっていたり、直ぐに埋まってしまう人気物件の場合、内見せずに契約をする人も増えているという。そうしたこともあり、仲介手数料へのアレルギーはますます強まりつつある。

マーケティング支援や不動産テック事業を展開する株式会社misosil(ミソシル)(所在地:東京都港区、代表取締役社長:木村 忠雅)がさきごろリリースした、『仲介手数料最大無料ちゃん』は、独自のAIシステムで不動産仲介における手数料やプロセスを最適化。人件費を抑えることなどでコストを圧縮し、その名の通り、最大で仲介手数料を無料にする。

ただし、手数料が無料になるのには条件がある。(1)既に住みたい物件が決まっており、(2)内見が不要であることだ。その上で、同社独自のAIによる業務プロセス最適化システムの活用、IT重説の導入などで、各種業務を徹底して合理化。来店も不要とすることで、仲介手数料分のコストを圧縮し、契約者に還元する。

要は、AIなどのテクノロジーを活用する企業努力によって、手数料分のコストを可能な限り削減。顧客満足度を高めているワケだ。業界の慣習に則り、ちゃっかりと仲介手数料を取るのは収益を上げる方法としてある意味でラクかもしれない。だが、情報化が進み、賃貸契約者もある程度不動産情報に触れて情報収集できる時代に、実態のよく分からない仲介手数料を払うことに借主側が抵抗を持つのは無理もない。

そもそも、不動産業界も着々とテックが進んでいる。この流れの中で旧態依然のやり方で仲介手数料をかすめ取ることに固執し続けるようでは、企業としての怠慢といわざる得ず、ライバルに埋もれてしまいかねない。やるべきことは、賃貸契約者に納得して払ってもらえる手数料として、どう付加価値を与えるのか。これからの不動産仲介業者は、そこに目を向けることが生き残る上でも重要になってくるだろう。

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