米アマゾンが不動産に参入する? 同社が提携する不動産仲介会社リアロジー(Realogy)と共に発表した。

出版業界から小売り業界の地殻変動を起こした巨人企業・アマゾンが今度は不動産へ乗り込む。デジタル化が進む不動産業界だが、そんな流れを飲み込みかねない動き。一体、その内容はどんなものなのか…。
両社が提供するのは、「TurnKey(ターンキー、鍵を回す)」と名付けられた新しいプログラム。ここを通じ、首都ワシントンをはじめ、米国主要15都市圏で住宅を探す人と、地元の仲介業者(エージェント)をつなぐ。
プログラムに参加するのは、コールドウェルバンカー、センチュリー21、サザビーズ インターナショナル リアルティなど、事前審査を受けたリアロジー傘下の複数のエージェント。
基本的な流れは、住宅の購入希望者がまず、アマゾン・ドット・コムのターンキーのサイトにアクセス。氏名、電話番号、メールアドレス、住宅購入を希望する都市名を入力する。すぐにターンキーからメールで返信があり、その後、電話で連絡を取る。
簡単な説明の後、ターンキーは購入者が住宅を探している地域の不動産エージェントを選び、両者の間をつなぐ。そこから先はエージェントが引き継ぎ、実際に希望に合った住宅探しを開始する。
あくまで間接参入?
要するに、アマゾンのプラットフォームから不動産エージェントへつなぐ動産が出来たということだ。カテゴリーの中に「不動産」という項目が出来たというよりは、特別サイトが設けられ、そこから不動産エージェントにコンタクトできるというもの。“特典”として、これらエージェントを通じて購入契約を結んだ住宅購入者に、アマゾンから1000~5000ドル(約11万~54万円)相当の製品やサービスが提供されるが、アマゾンから申し込む強い動機になるかは不透明だ。
もっとも、アマゾンで住居関連の製品を探している顧客は、リフォームや引っ越しを検討している潜在顧客である可能性は高く、そうした顧客を掘り起こすパワーはどのECサイトより強大であることは確かだ。そこに特典もあるとなれば、ちょっとお願いしてみようとなることも十分考えられる。
アマゾン自身が住宅を売るわけではないものの、不動産業界にとっては新たな脅威となりうる存在が出てきたことは否定できないだろう。アマゾンにとっては、何かを見据えたテスト的参入である可能性もあり、なんらかの“予兆”として、成り行きを注意深く見守る必要がありそうだ。
